クイア・プラクティス

ノン・ヘテロの身体障害者。雑文書き。観て読んで考えて書く。それが反応。

2021-12-31から1日間の記事一覧

セクマイ障害者とエロス3 身体障害者の性的サービスと「福祉」

youtu.be

セクマイ障害者とエロス2 身体障害者と身体表現

youtu.be

セクマイ障害者とエロス1 精神障害のレズビアン・カップル

youtu.be

マルグリット・デュラスからジョルジュ・バタイユ、そしてモーリス・ブランショ『明かしえぬ共同体』(朝日出版社、1984年)について(2)

……あなたは、愛するという感情がどうやって起こるのだろうかとたずねる。彼女はあなたに答える。「おそらく、世界のロジックの突然の裂け目から」彼女は言う。「たとえばある誤謬から」彼女は言う。「意志からは絶対に起こらない」(マルグリット・デュラス…

マルグリット・デュラスからジョルジュ・バタイユ、そしてモーリス・ブランショ『明かしえぬ共同体』(朝日出版社、1984年)について

まだ全体の4分の1までしか読んでいないにもかかわらず、わたしはこの本の言いたいことがわかるような気がしたので、覚書のように書いてみます。あらかじめ断っておきますが、このテーマについて、何度も何度も書き直し反復します。 マイノリティとマジョリテ…

ヤン・アンドレア『マルグリット・デュラス 閉ざされた扉(河出書房新社、1993年)』

作家で映画監督のマルグリット・デュラス(1914~1996)は、結婚して出産後の29歳のとき『あつかましき人々』を発表し、82歳で死去するまで、小説やエッセイを含む著作は20冊以上、映画は15本以上製作しています。本人も言っていますが、まさに「病的」です…

MtFトランスジェンダーと女装男はどう違うのか?

ジョン・アーヴィング原作の映画『ガープの世界(1982)』のあらすじと登場人物を簡単に紹介する。主人公ガープとその母親ジェニー、ガープの妻ヘレン、元フットボール選手のロバータである。 *** 学生時代のガープが自伝小説を書こうとしたとき、看護師…

本の花束(14)カリン・ボイエ『カロカイン』(2008年、みすず書房)

ウィキペディアの「レズビアンの作家一覧」に、カリン・ボイエ(1900–1941)があり、『カロカイン 国家と密告の自白剤』があったので、さっそく図書館で借りて読みました。本の裏表紙にはこう書かれています。 地球的規模の核戦争後、人びとは、汚染された地…

本の花束(13)佐藤亜有子『花々の墓標』(ヘルスワーク協会、2008年)

2016年の日記に、佐藤亜有子が亡くなった、と書いてあり、わたしは自分で書いたものに自分で驚きました。佐藤亜有子という作家も知らなければ、彼女が亡くなったことすら知りませんでした。なぜ無名の作家が死亡した件を日記につけていたのでしょうか。5年前…

本の花束(12)小池昌代『黒雲の下で卵をあたためる』(岩波書店、2019年)

詩の言葉はとても光り、ときには胸にひどく刺さりますが、小説となるとさほど光らない人がいます。中島みゆきです。わたしは40年くらい(最初はたぶん小4)彼女のファンでして、深夜放送も毎週欠かさず聴いていました。大学受験の年になると、彼女は深夜ラ…

本の花束(11)ハンナ・アーレント『全体主義の起源』(みすず書房、2017年)

『ハンナ・アーレント(2013)』が岩波ホールで公開され、インディペンデントシアターだけに珍しくヒットしました。わたしも公開時に劇場で観て、DVDをさっそく買って何度も観ました。 内容はハンナ・アーレントがエルサレムでのアイヒマン裁判をすべて傍聴…

本の花束(10)福田須磨子『われなお生きてあり』(1977年、ちくま文庫)

長崎の原爆を題材とした映画や文学はないものかと思い、探してみると黒澤明『八月の狂詩曲(1991)』がありました。原作は村田喜代子『鍋の中(1987)』です。私が無知でした。 広島に原爆が落とされたのは8月6日、長崎は8月9日でした。たった3日とはいえ、…

本の花束(9)砂沢クラ『ク スクップ オルシベ――私の一代の話』(北海道新聞社、1983年)

私が20~30代のころ、新宿二丁目に行きつけのバーがありました。あるとき偶然、宇梶剛士さんが店に入ってきました。宇梶さんはマスターに電話して事前に確認し(お客さんが少ないときに店にやってきた)、バーのカウンターの隅っこで、大きな図体を縮こませ…

本の花束(8)朴壽南『もうひとつのヒロシマ 朝鮮人韓国人被爆者の証言』(1982年、舎廊房出版部)

詳細は省きますが、「平和の少女像」などを展示した国際芸術祭「あいちトリエンナーレ2019」内の企画展『表現の不自由展・その後』が、開催から3日間で中止に追い込まれました。いまから3年前の出来事です。「ガソリン携行缶を持ってお邪魔する」と書かれた…

本の花束(7)「カミーユ・クローデル」(レーヌ・マリー・ハリス、エレーヌ・ヒネ、1989、みすず書房)

フランスの女性彫刻家カミーユ・クローデル(1864~1943)は、ロダンの弟子であり愛人であり、また詩人ポール・クローデルの姉でした。彼女はたぐいまれな才能と美貌に恵まれ、ロダンとポール・クローデルという二人の芸術家に深く霊感を与えながら、自らは…